キタサンブラックの引退が発表され理由の憶測がされていましたが、
そのさなか、2017年天皇賞秋を圧巻の競馬でキタサンブラックが優勝しました。
あそこまで強い競馬を見せられると引退する理由なんてなく、2018年も現役を続けて日本競馬の悲願、凱旋門賞へ!!
とファンは考えてしまいますが、
キタサンブラックのオーナー北島三郎さん(以下サブちゃん)の親心かな~と思います。
今日は、キタサンブラックの引退理由について、
天皇賞秋を現地でみてきた生の感想と合わせて書いていきたいと思います。
キタサンブラックの引退理由はサブちゃんの親心
キタサンブラックが2017年天皇賞秋を制する前、
2017年シーズンを持って引退することが発表されました。
その際、キタサンブラックの引退理由をはっきりとは明かしておらずファンも「まだやれそうなのになんで?と思ったと思います。
語弊があるかも知れませんがキタサンブラックは
サブちゃんの馬主人生をギュッと濃縮したような馬だと私は思います。
あまり競馬になじみがない方はサブちゃんが馬主として長く活躍してこられたと思うかも知れませんが、サブちゃんはキタサンブラックに出会うまで「G1」と呼ばれる大きなレースを勝ったことがありませんでした。
1963年に馬主デビュー。
実に50年以上馬主として馬を保有し可愛がってきて「初の」G1馬がキタサンブラックなんです。
「かわいい」以外のなにものでもないでしょう!
実際、2017年の天皇賞秋をキタサンブラックが制したあとにも発せられたサブちゃんのコメントで…
【キタサンブラックは神様からの贈り物】
とまで話していました。
その天皇賞秋はいつも先行(スタートしてから先頭付近でレースをする)するキタサンブラックが出遅れて後方からの競馬になりました。
雨の影響で歴史的なドロドロの馬場を避けるように他の馬が嫌う内を敢えて進み距離ロスを回避(他の馬は距離ロスが多かった)、そして4コーナーから直線で「ワープ」したかのように一気に先頭へ。
天才武豊騎手の匠なレース運び、そして強いからこそできる力で他馬をねじ伏せる走りに東京競馬場は感嘆、ため息、強い、の言葉が飛び交いました。
その強いキタサンブラックが2017年で引退、理由はもうサブちゃんの親心以外ありません。
競馬を続ける以上、どうやっても「事故(主に脚の怪我)」のリスクが伴います。
調教中の事故、レース中の事故、輸送中の事故…
キタサンブラックは体も体調も強い素晴らしい馬ですが、サラブレッドの脚はガラスの脚と呼ばれるほど脆いものです。
ちょっと脚を柵にぶつけただけで骨折…ということもあります。
そして、不幸中の幸いにも軽い怪我なら良いのですが、競走馬の場合重篤な怪我になってしまうと治る見込みが低く馬を苦しめてしまう場合は「やすらかに…」の処置をとられてしまいます。
オールドファンならサイレンススズカの悲劇を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
【関連記事】
・サイレンススズカ×武豊×涙 天皇賞の悲劇と教えてくれたこと
キタサンブラックの引退理由は強い姿をもっと見たい、でも、走れば走るだけ事故の可能性がある。
そしてもし、仮に今後衰えていくようなら強い姿を目に焼き付けたまま引退、無事に第二の人生(馬生?)=種牡馬として送り出してあげたたい。
こういった気持ちが強いことがキタサンブラックへの「親心」が引退の理由として考えるのが自然ですね。
キタサンブラックはサブちゃんの馬主人生の象徴
競馬を普段からやられている方からするとキタサンブラックが競馬を始める前から大きな期待を浴びまくっていた馬ではないことが分かるのではないでしょうか。
それは、「血統」です。
高値で取引される馬は「ディープインパクト産駒」や「キングカメハメハ産駒」が中心。
そのディープインパクトはその分種付け料が高い→父親も同じディープインパクトの兄ブラックタイドは種付け料安い→ということは「そういうこと」
と普通は考えますし、おそらくこれに関して異を唱えるかたはキタサンブラックの出現までいなかったはずです。
そう、サブちゃんは「エリート」ばかりを手にしていたわけではなく、
どちらかと言うと地味な・渋い馬たちを手にし、愛でてきたのです。
そしてキタサンブラックの「雑草」たる結果として有名な話ですが、
G1を勝っていたのに/サブちゃんという分かりやすい人気を得る馬なのに…
2016年10月の京都大賞典、12戦目まで一回もレースで1番人気になることがありませんでした。
そう、そういったたたき上げの、他の人気馬を倒していく愛馬が強さを魅せてくれていたわけですから本当にキタサンブラックは可愛いでしょうね。
長年、馬主として生活してきながら、こうして最高の馬を手にできたわけです、しかも自分の馬主人生のように最初からスターではなく這い上がっての王者。
しかし、そこからは常に人気を背負う立場、そう追われる立場です。
こうなってくると、勝って欲しい、でもまずは無事に事故なく帰ってきて欲しい…そう考えるでしょう。
キタサンブラックの引退理由はサブちゃんの親御心であると同時に、
無事引退して後世に子供を残して欲しいという私たちファンの願いでもあります。
2017年のジャパンカップ、有馬記念を制すると日本競馬史上初のG1・8勝馬となります。
私もサブちゃんと同じ気持ちで、強い競馬を観たいでもそれ以上に無事帰ってきて欲しい。
競馬ファンみんなの願いですね。
Leave a comment